2024年2月15日木曜日

第11話 おすすめの映画『シャイン』

 僕自身、統合失調症ですが、同じ病の者として、おすすめの映画についてのお話しを書かせていただきます。


映画『シャイン』


映画『シャイン』は、デヴィッド・ヘルフゴットという天才ピアニストの半生を描いた感動的なドラマです。

物語は、音楽に対する情熱と家族との葛藤に満ちたデヴィッドの人生を、彼が幼少期から苦悩と奮闘の果てに奇跡的な復活を遂げるまでを追いかけています。


デヴィッドは、音楽に生きることを夢見ていたが、父親ピーターからの厳格な英才教育により、その道を断たれる形で育ちました。

ピアニストとしての父親の影響を受け、デヴィッドもまた音楽の才能を秘めていました。

しかし、父との対立や家庭の環境からくる緊張感が、彼の心に深い傷を残します。


デヴィッドは父親との葛藤を振り切り、ロンドンに留学する決意をしました。

その先で彼は、音楽の才能を開花させながらも、精神的な問題に悩まされます。

映画は、デヴィッドがいかにして精神を病み、それでもなお音楽への愛と才能を取り戻していくのかを描き、観客に深い感動をもたらします。


映画の舞台となるデヴィッド・ヘルフゴットは、実在のピアニストで、彼の半生が映画の原案となりました。

1947年にメルボルンで生まれ、幼少期からその才能を発揮していました。英国王立音楽大学に特待生として入学し、その才能を開花させたデヴィッドは、しかし留学生活でのプレッシャーや家族との葛藤から次第に心の平静を失っていきます。

デヴィッドが精神的に不安定になる過程は、映画を通して繊細に描かれています。

彼が抱える心の葛藤や病んでいく様子は、観客に深い感情を呼び起こします。

映画はまた、彼の奇跡の復活デビューに至るまでの11年間の闘病生活も描き、観客に感動の渦に巻き込まれさせます。


『シャイン』はドキュメンタリー映画としても注目され、デヴィッド・ヘルフゴットと彼の妻ギリアンの深い夫婦愛も浮き彫りにされています。

このドキュメンタリーでは、デヴィッドが妻の支えを受け、再びステージに立つまでの姿が感動的に描かれています。

夫婦の絆と支え合いが、彼の回復に大きな影響を与えました。


映画の成功には、主演のジェフリー・ラッシュの見事な演技も寄与しています。

ラッシュはデヴィッドを繊細かつ力強く演じ、その演技力が第69回アカデミー賞主演男優賞など数々の賞に輝く原動力となりました。

観客は彼の演技に引き込まれ、デヴィッドの内面の葛藤を共有することができます。


『シャイン』は、音楽と愛に満ちた感動的な物語として、観る者に心に残る深い印象を残します。

デヴィッド・ヘルフゴットの人生は、その波乱万丈ながらも輝かしい音楽の旅路を映し出しており、映画を通じてその素晴らしさに触れることができます。


僕自身も子供の頃、母親に強制的にピアノ教室に通わされていました。

この映画を見て、思いました。

ピアノ教室が辛かった経験は理解できます。

音楽の学習が強制的であると、本来楽しいはずの体験が重荷に感じられることがあります。

その時期の感情や思い出、そして音楽に対する気持ちは、今も影響を与えているかもしれません。


映画『シャイン』












0 件のコメント:

コメントを投稿

第32話 韓国の国防政策

『 韓国の国防政策 』と題された本書は、韓国の軍事産業がいかにして進化し、その歴史を通してどのように変革してきたのかに焦点を当てた興味深い一冊です。 朝鮮戦争勃発時、北朝鮮の侵攻によりソウルがわずか3日で陥落しました。 しかし、アメリカや欧米を含む21カ国の軍事支援によってソウル...